恋愛ドラマアプリのキャラクターデザインや主な背景画以外は、ほぼすべて、社内のデザイナーがビジュアル・クリエイト業務を担当しています。具体的には、ゲームサイトのデザイン、ロゴ制作から、映像制作、Flashなどを駆使したサイトコンテンツ制作、イラスト制作など。また、プロモーション用のポスターや広告原稿など、紙媒体の制作も担当します。
私も入社以来、「王子様のプロポーズ」や「ルームシェア素顔のカレ」などさまざまな恋愛ドラマアプリのデザインを担当しました。サイトの中のボタンといった細かな部分のつくり込みから告知用のサイト全体のデザインまで、「王子様らしさって何だろう?」「ルームシェアをリアルに感じてもらうには?」など、それぞれのコンテンツが持つ世界観をいかに魅力的に表すかを考えてビジュアルを起こします。ドラマのシナリオを作成するのが企画スタッフなら、私たちデザイナーは舞台美術の担当として作品を仕上げていきます。

入社1年目は、企画スタッフからの指示や依頼を受けて、恋愛ドラマアプリのさまざまなビジュアルを作成しましたが、今回、「生存率0%!地下鉄からの脱出」で初めて、ゲームの企画段階からデザインに携わりました。きっかけは、「恋愛ドラマアプリとは違い、男性もターゲットにした新しいドラマ型コンテンツの計画が進んでいる。第一弾はサスペンス物らしい」という話を耳にしたこと。もともと男性向けの漫画やドラマが好きだった私は、いつ担当になってもいいように、サスペンスドラマのビジュアル作成のための資料を集め、どんなデザインが効果的なのか研究を始めました。サスペンスに関するDVDや本に、この時ほど多く触れたことはありませんね。だからこそ「生存率0%!地下鉄からの脱出」のデザイン担当者に指名されたときは本当に嬉しくて、打合せの初期段階からどんどん意見やアイデアを発表していきました。この経験は今も大きな財産になっていて、日頃からデザイン案の引き出しを増やし、ゲームの企画段階から積極的に関わっていく姿勢が身につきました。

ビジュアルや演出にこだわるほど、データの容量は増し、システムへの負荷も大きくなります。つまり、作品のクオリティアップにはデザイン部門とシステム部門の連携が不可欠です。スマートフォンで表現の自由度が高まっている今は、デザイナーにとっても大きなチャンス。システム開発担当者とより連携を高めて、新しい表現に挑戦していきたいですね。「生存率0%!地下鉄からの脱出」のデザインでは、サスペンス特有の不安感を醸し出すよう、あえてバランスを不安定にしたつくり込みを行いましたが、こうした微妙な調整もシステム開発担当者の協力があって実現できました。モバイルコンテンツには、システムの制限の中でデザインしていく難しさがありますが、システムの力を借りて、今までにない表現や操作感を追求できる面白さもあります。企画、システム、デザインとさまざまな分野の担当者が直接顔を合わせてモノづくりができる、ボルテージならではの表現の可能性と楽しさを、とことん追求していきたいと思っています。